レンタルサーバの基礎 どっちがいいの?
Webサーバ(またはその一部スペース)をレンタルしている事業者には、インターネットサービスプロバイダ(ISP)とレンタルサーバの2種類があります。
いきなり結論からいいますと、Webサイトを開設運用するためには、レンタルサーバの方がおすすめです。
では、なぜプロバイダよりもレンタルサーバの方がよいのか、ここでは2種類の事業者のWebサイト開設に関するサービスの違いを比較してみましょう。
・インターネットサービスプロバイダ(ISP)とは
「プロバイダ」とは「提供する者」という意味で、その単語の表すとおり、インターネットサービスを提供してくれる事業者のことです。日本語では、よく「インターネット接続代行業者」と訳されます。
たとえば、自宅のパソコンからインターネットに接続するには、そのパソコンをインターネットという世界規模の大きなネットワークに参加させてもらわなければなりません。そのネットワークへの入口(アクセスポイント)をあちこちに持っていて、一番近い入口から利用者のパソコンをインターネットに入れてくれ、またブラウザでWebサイトを閲覧したり、インターネット用メールアドレスを準備してメールのやり取りができたりするようにしてくれる仲介役が、プロバイダです。
いわば世界規模の巨大な会員制パーティ会場へのチケット手配と受付を行う代理店といったところでしょうか。
プロバイダは、自社が準備するアクセスポイントまでの通信経路(電話回線や光ファイバ、ケーブルテレビのケーブルなど)を提供している通信回線事業者が運営していることもありますし、通信回線事業者とは別の事業者がアクセスポイントやメール機能の提供部分だけを運営していることもあります。
どちらのタイプでも、プロバイダ事業者の数は非常に多く、競争も激しいため、ほとんどのプロバイダでは、インターネットへの接続代行とメール機能の提供以外に、Webサイト開設のための自社のWebサーバのレンタルスペース貸し出しや、メールのウィルスチェック、Webメール、映像コンテンツ配信など、他社と差をつけるためにさまざまなサービスを提供しています。
費用に関しては、電話回線を使う無料プロバイダというのも存在しますが、電話回線を使うため接続時間分の電話料金は自分で支払う必要がありますし、使用条件があったり、閉鎖が多かったり、接続環境が悪いことが多いため、有料の定額制プロバイダを利用する方がほとんどです。
・レンタルサーバとは
レンタルサーバとは、名前のとおり、サーバをレンタルしている事業者です。
すでにプロバイダと契約をして、インターネットには接続できている状態の利用者が利用します。
Webサイトを開設したい人にはWebサーバのスペース(またはまるごと1台)、メール機能を利用したい人にはメールサーバのスペース、ファイルの転送を行い人にはファイルサーバのスペースというように、目的に合わせたサーバのスペースを提供してくれるサービスです。
通常、Webサイト開設用のプランの場合、Webサイト用スペースとメール用スペースを合わせてレンタルしています。
費用に関しては、有料のレンタルサーバと無料のレンタルサーバが存在します。
・プロバイダでWebサイトを開設する際のデメリット
レンタルサーバを利用する際にくらべて、プロバイダを利用してWebサイトを開設する際には以下のようなデメリットがあります。
1)独自ドメインを使用できないことが多い
2)CGIが使えない場合がある(使える場合も制限が多い)
3)ディスク容量が少ない
4)機能や利用方法が限られている
1)独自ドメインを使用できないことが多い
ほとんどのレンタルサーバでは、Webサイト開設とメール運用において、事業者の準備するサブドメインを利用するのか、利用者が準備した独自ドメインを利用するのかを選択して使用できます。
独自ドメインを利用するには別途費用がかかりますが、独自ドメインを利用することで、「サイト名.com」や「お店の名前.jp」「会社名.co.jp」などの独自色を活かしたURLやメールアドレスを利用でき、また検索エンジンの候補順位を上げるSEO効果を上げられます。
プロバイダの場合は、独自ドメインを使用できないことがほとんどなので、WebサイトのURLの頭に「プロバイダのドメイン」がついてしまいますし、メールアドレスも「好きな名前@プロバイダのドメイン」となってしまうため、独自色をつけられるのはごく一部になってしまいます。
サイトやメールの住所の表記はどうであれ、インターネットに公開するという役割自体は果たせるので、ごく親しい知り合いに公開する小規模サイトの場合はこれでも十分ですが、ネットショップなどの商用利用や企業サイトの公開にこの住所では、信頼性にも乏しく、おそまつ感がぬぐえません。
2)CGIが使えない場合がある(使える場合も制限が多い)
CGIの利用を想定している場合、CGIの種類の自由度、使える範囲でみると、レンタルサーバの方に分があります。
レンタルサーバでは、掲示板やアクセスカウンタ、メールフォームなどのプログラム(CGI)をあらかじめ準備していてWebサイト上に簡単に組み込めるように提供していたり、独自で作成した(または別の人が作ってインターネット上に公開した)CGIの利用を許可していたりして、比較的自由にCGIを利用できるところがたくさんあります。
プロバイダでも、CGIを準備して提供しているところはありますが、それ以外の独自CGIの利用ができる事業者は少なく、また、そもそもCGI自体が利用できない場合もあります。
3)ディスク容量が少ない
プロバイダのレンタルスペース(ディスク容量)は、現在でも基本容量が5MB~50MBなどかなり少ないところがあります。最近の大手事業者では月額100円で1GBというようなところもありますが、Webサイト開設サービス自体に現在あまり力を入れておらず、10年前から容量は5MBのままで写真画像を入れたらすぐにいっぱいに……というようなところもあります。
4)機能や利用方法が限られている
プロバイダの場合、CGIに限らず、ブログシステムなどのCMS(コンテンツ管理システム)やデータベースの利用にはほぼ対応していませんし、メーリングリストやメールマガジン配信機能などの提供も少ないです。
Webサイト開設目的についても、個人利用のみ可能としているプロバイダがほとんどです。
商用利用が禁止されていたり、可能であっても別料金がかかって割高になったりしますので、制限の多い利用となってしまいます。
また、メールアドレス(メールアカウント)も、プロバイダでは基本1つしか利用できません。
以上、プロバイダのサービスを利用してWebサイトを開設する際のデメリットをあげてきましたが、これはもともと、プロバイダのサービスは、「利用者がインターネットを快適に利用できるようにする」のがメインあって、Webサイト開設サービスというのは、あくまでその他のおまけ部分にすぎないためです。
レンタルサーバは、「いかに利用者がWebサイトを快適に開設運用できるようにするか」だけに特化してサービスを行っていますので、当然こちらを利用した方がより自由度が高く便利にサイト運用できるというわけです。
最近の大手プロバイダでは、月額100円で1GBのディスク容量を提供していたり、独自ドメイン利用を受け入れていたりする事業者も出てきています。
ただ、そういったプロバイダでも、全体的に使用機能に制限の多いところがほとんどになります。
プロバイダでサイトを開設して、軌道に乗ってからレンタルサーバへ引越しするとなると、URLやメールアドレスが変わってしまい実質営業活動を1からやりなおすことになってしまいます。
本格的なサイトの運営を考えている方には、最初からのレンタルサーバの利用をおすすめします。
レンタルサーバには、有料のものと無料のものがあります。
どちらのタイプでも事業者数は多く、有料で使い勝手が悪いレンタルサーバもあれば、無料で安定したレンタルサーバもあり、その質はさまざまですが、今回は有料レンタルサーバと比較して、特に無料レンタルサーバで見られる制限やデメリットをいくつかあげてみましょう。
無料レンタルサーバで見られる制限やデメリット
1)独自ドメインの使用制限
2)ディスク容量の制限
3)その他機能や利用方法の制限
4)広告が表示される
5)信頼性がない
6)安定稼働とサポートに期待できない
7)サービスが突然打ち切られる可能性がある
1)独自ドメインの使用制限
ほとんどの有料レンタルサーバでは、Webサイト開設とメール運用において、事業者の準備するサブドメインを利用するのか、利用者が準備した独自ドメインを利用するのかを選択して使用できます。
無料レンタルサーバでも、こういったサブドメインや独自ドメインに対応しているところはありますが、どちらにも対応していないところや、「独自ドメインの使用に関しては要相談」としているところもありますので注意が必要です。
サブドメインに対応していない場合は、URLの頭に「レンタルサーバのドメイン名」がつく形式(プロバイダ利用時と同じ形式)になります。
独自ドメインが使えない場合、ネットショップやアフィリエイトなどの商用利用では借りもの感がつきまとってしまうのは否めない事実です。
2)ディスク容量の制限
一概にはいえませんが、有料レンタルサーバにくらべて、無料レンタルサーバの容量は5MB~50MBクラス、100MB~200MBクラス、500MB、1GBと比較的少なめのところが多いです。中には無制限というところもありますが、容量についてはまず確認しておきましょう。
また、有料レンタルサーバの場合は費用を支払い利用規約に従ってさえいれば契約したスペースを取り上げられるということはありませんが、無料レンタルサーバの場合は、数か月更新せずに放置しておくことでスペースを削除されるところもありますので注意しましょう。
3)その他機能や利用方法の制限
無料レンタルサーバの場合、FTPソフトでの転送を不可としていて、ブラウザ上で1ファイルずつの転送しかできないというところがあります。他にも、有料レンタルサーバにくらべると、使用できるデータベースの種類に制限があったり、PHPでプログラミングされたCGIが利用できないところがあったりと、いろいろな機能に制限が多い傾向にあります。
また、利用規約的にも、アフィリエイトやネットショッピングの商用利用がリンクを張るだけでも禁止されているところや、「要相談」になっているところも多いため、注意が必要です。
4)広告が表示される
無料レンタルサーバの場合は、サーバの維持管理費を広告からの収入でまかなっています。そのため、Webサイトのホームページ上に目立つ広告バナーが表示されたり、ページを表示するたびに広告のポップアップウィンドウが表示されたりする無料サーバは少なくありません。
無料レンタルサーバを利用する場合は、広告のために思ったとおりのデザインに仕上がらなかったり、広告がWebサイトの閲覧を妨げて利用者を退けてしまったりする可能性を考慮しておきましょう。
ただ、広告の表示されない無料レンタルサーバもあります。こちらのタイプは、レンタルサーバ側の運営するサイトのリンクを張ることなどが使用条件とされており、レンタルスペース利用者が事業者側の広告活動の補助をすることで無料でレンタルするしくみになっています。
有料レンタルサーバの場合は、利用者の支払う料金で運用していますので、広告は入りません。
5)信頼性がない
ネットショップサイト運用などで無料レンタルサーバを利用する場合、ネットにちょっと詳しい利用者であれば、URLやメールアドレスからそのお店の出店先が無料スペースであることがすぐにわかります。金銭のやりとりが発生する商用利用では利用者側も慎重になっているため、まったくお金をかけずに運営しているショップに「怪しいサイトなのでは」「何かあったときに責任を取ってくれないのでは」と不安を感じて購入をやめる可能性があります。
また無料レンタルサーバは、個人が自宅に用意したサーバなどをレンタルして小規模に行っているところも多いため、スペースを借りる側も信頼できるところかどうかをよく確認して利用する必要があります。
6)安定稼働とサポートに期待できない
無料レンタルサーバは、無料という性質上、広告収入があるとはいっても、サーバを安定運用させる施設維持費や障害の起こった時に復旧させる技術者への人件費などシステムの安定稼働に必要な費用を、利用者からしっかり徴収できる有料レンタルサーバほどには使えません。
しっかり運用している大手や老舗の事業者もありますが、個人でサーバを準備して提供しているところもあり、全般的に、安定性やセキュリティ、サポート、速度については、無料で使わせてもらっている以上あまり文句は言えない……というスタンスでの使用になります。
7)サービスが突然打ち切られる可能性がある
もっとも困るデメリットですが、無料レンタルサーバの場合、利用者が順調にサイト運用していても、事業者側が突然サービスの提供を打ち切る可能性があります。その場合、親切なところであれば「1カ月後にサービスを打ち切りますので、別のレンタルサーバに引越ししてください」ぐらいのメッセージはくれるかもしれませんが、実際相手からのタイミングで引越しするのは大変なことです。最悪の場合、ある日突然、ファイルのバックアップもしないままにWebサーバにアクセスできなくなってしまうことも考えられます。
また独自ドメインを利用していない場合、サイトのURLもメールアドレスも今までのものは使用できなくなってしまいます。
以上のように、無料レンタルサーバには、サーバ環境の運用管理費用を直接的に利用者から徴収できないことから、有料にくらべるといくつかの制限やデメリットが生じる可能性が高くなります。
個人向けサイトの内容であれば、サイトのコンテンツに合わせて十分な条件を満たす無料レンタルサーバを利用して問題ありませんが、ネットショップサイト運用の場合は、稼働率やセキュリティ、サポート、顧客から見た信頼度などを考慮して有料サーバを利用するのが望ましいです。
レンタルサーバでは、サブドメインを利用するか、独自ドメインを利用するかを選択できるところが多くあります。
結論からいえば、本格的にWebサイトを運営したい方には独自ドメインの利用がおすすめです。
ここでは、この2つのドメインについてまとめ、比較した場合の独自ドメイン利用のメリットを見てみましょう。
・独自ドメインとは
ドメインというのは、ホームページの住所(URLともいいます)やメールの宛先に使われる文字列のことです。
ホームページやメールの住所は、「http://www.yahoo.co.jp」や「taro@yahoo.co.jp」といった書き方をしますよね。
この住所のなかの「yahoo.co.jp」の部分をドメインといいます。
たとえば、プロバイダのWebサイト開設サービスを利用すると、プロバイダがWebサイトの格納場所を貸してくれます。
その場合のURLは、
http://www.abcnet.ne.jp/~利用者名や好きな名前/
といった形になります。
全体的に長くなり、同じプロバイダを利用して公開されたWebサイトのアドレスはすべて固定で「http://abcnet.ne.jp/」から始まりますから、独創性に欠け、大きなビルに間借りしているお店のひとつ……といった印象になってしまいます。
メールアドレスに関しても、「好きな名前@abcnet.ne.jp」とアドレスの@以降は必ずプロバイダのドメインが入ってしまいますので、印象としてプロバイダの名前の方が目立ってしまいます。
このように、独自ドメインの使用できないプロバイダでWebサイトを開設した場合、URLが長くなってしまい、利用者にパッとしない印象を与えてしまうというデメリットがあるのです。
そこで、レンタルサーバを利用すると、
○○.com
とか
○○.jp
といった覚えやすいドメインを自分で作って、それを自分のサイトの住所(URL)や宛先メールアドレスとして使用できます。
たとえば、こんな感じです。
サイトのURL → http://○○.com
問い合わせ先メールアドレス → support@○○.com
このように、自分で自由に作成できるドメインのことを「独自ドメイン」といいます。
独自ドメインを使えば、サイトの住所やメールアドレスにはレンタルサーバやプロバイダの名前はどこにも入りませんのですっきりしますし、間借りしている風から一転して、いかにも一戸建ての“自分のお店”という感じになります。
とはいえ、独自ドメインを使用するにはお金がかかります。
まずは取得するための初期費用、それから取得したドメインを決まった期間自分のものにしておくための維持管理費用(権利費用)が、レンタルサーバのスペースを借りる費用以外に必要になりますので、ある程度の予算を準備しておく必要があります。
また、独自ドメインは、自由に名づけられるとはいっても、電話番号や現実の住所と同じで、世界中でたった一つの住所でなければなりませんので、取得は早い者勝ちになります。
すでに誰かが使っている場合は、その人が権利を放棄しない限りは使えませんので、誰ともかぶらないものを上手く使いましょう。
また、すでに存在するドメインと似ている名前にすると、お客様が間違ってそちらのサイトにアクセスしてしまったりして、アクセスしてもらうチャンスを逃すことにもなってしまいます。
集客するのにもっとも効果的なドメインを、あらかじめ検索などでリサーチしておきましょう。
・(補足)独自ドメインの取得方法
独自ドメインはどのように取得すればよいのでしょうか。
独自ドメインの取得には、3通りの方法があります。
1)直接レジストラ(ドメイン登録業者)に取得を申請する
2)代理店(リセラー)に代行取得を申請する
3)利用するレンタルサーバの代行取得サービス(レンタルサーバ&ドメインのプラン)を利用する
1)直接レジストラ(ドメイン登録業者)に取得を申請する
ドメインというのは、「レジストリ」と呼ばれる機関に管理されています。そのレジストリが認定して直接契約しているドメイン登録事業者を「レジストラ」といいます。
レジストラに独自ドメインを申請して取得すれば、レジストラが直接、おおもとの管理を行っているレジストリのデータベースを書き換えて使えるようにしてくれます。
2)代理店(リセラー)に代行取得を申請する
代理店とは、名前のとおりドメインの代行申請取得や再販をおこなっている事業者です。
レジストラへの独自ドメインの取得申請を、利用者の代わりに行ってくれます。
この場合、利用者が代理店にお金を払って、代理店がレジストラに管理費用を支払うことになります。おおもとであるレジストリのデータベースの書き換えや管理自体はレジストラが行います。
この代理店というのは、たくさんあるのですが、取得・管理費用や管理方法などもさまざまです。
一般的には、3)のレンタルサーバで代行取得してもらう場合よりも、管理維持費が安いことが多いです。
ただ、なかには管理がずさんな会社もありますので、費用以外の部分もよく確認して選びましょう。
3)利用するレンタルサーバの代行取得サービス(レンタルサーバ&ドメインのプラン)を利用する
レンタルサーバでも、独自ドメインの代行取得サービスをやっているところがたくさんあります。
また、1)のレジストラや2)の代理店がレンタルサービスをやっている場合もあります。
初期取得費用が無料になるキャンペーンをしているレンタルサーバもありますが、全体的に、維持管理費用についてはレジストラや代理店で代行取得するよりは値が張ることが多いため、独自ドメインは代理店経由で取得して、それをレンタルサーバに持ち込むという使い方をする方も多いです。ただ、別の事業者で取得した独自ドメインを、異なるレンタルサーバへ持ち込む場合は、レンタルサーバ側が“独自ドメインの持ち込み”に対応している必要があります。
また、独自ドメインの持ち込みには対応していても、持ち込むための難しい設定自体は利用者が自分で行わなければならないというところもあります。
DNSの設定など、ネットワークやサーバ関連の知識がある方には十分できる内容ですが、初心者の方で、自分でできるかな……と心配な方は、レンタルサーバと独自ドメインがセットになったプランを選ぶのがおすすめです。
同じレンタルサーバで独自ドメインを取得した場合は、設定も簡単ですし、間違いなく動作するように最後まで面倒もみてもらえるためです。
・サブドメインとは
サブドメインとは、レンタルサーバが無料で貸してくれるドメイン(住所)です。
プロバイダのサービスを利用してホームページを公開すると、そのサイトのアドレスは「http://www.abcnet.ne.jp/~利用者名/」というように、長くて覚えづらいものになってしまいます。
もっとシンプルにしたい場合、独自ドメインを取得して使用すればよいのですが、独自ドメインの取得にはお金がかかります。
ドメインにはお金をかけないで、サイトのアドレスを短くすっきりさせたいという場合は、レンタルサーバのサブドメインを利用します。
これは、レンタルサーバが持っている親ドメインを親子関係(階層構造)で分けた、サブドメイン(子ドメイン)を貸してくれるというサービスです。
具体的にいうと、レンタルサーバが「abcd.com」というドメインを持っている場合、それをもっと細かく分けて、「好きな名前.abcd.com」というように、ドメイン名の手前に好きな名前(サブドメイン)をつけたものを使わせてくれるというものです。もちろん、これも世界中で一つでなければならないので、名づけるのは早い者勝ちにはなります。
たとえば、個人サイト利用者に人気の高いロリポップというレンタルサーバでは、「kikirara.jp」や「raindrop.jp」など可愛い系、クール系など85種類のドメインのなかから好きなものを選んで、「好きな名前.raindrop.jp」などのサブドメインを利用できます。
サブドメインサービスを利用する場合は、レンタルサーバサービスを受ける費用だけで、独自ドメイン利用時のようなドメインの取得・維持管理費用は必要ありません。
そのため、商用サイトではなく、趣味的な情報の公開であれば、サブドメインでも十分という方も多いです。
ただ、サブドメインを利用する場合、アドレスは短くなりますが、自分のドメインではなくレンタルサーバ会社のドメインを借りているだけですので、そのレンタルサーバ会社がレンタルサービスを急にやめてしまったり、もっといいレンタルサーバを見つけて引っ越したりする場合は、返却しなければなりません。サイトのアドレスもメールアドレスも変わってしまいますので、集客機会を少しでも逃したくない方は、ぜひ独自ドメインを利用しましょう。
・独自ドメインを利用するメリット
まずは、検索エンジンで何かのキーワードを入れて検索してみてください。
検索結果が候補表示されますが、上位にのっている情報のアドレスを見ると、ほとんどが「○○.com」とか「○○.jp」などの短い独自ドメインのものです。
ネットショップなどの商用サイト開設に、独自ドメインを利用するのはいまや常識と言われています。
どうして、わざわざ取得や維持にお金のかかる独自ドメインを利用するのでしょうか。
サブドメインと比較して、Webサイト運営には独自ドメインを使用した場合以下のようなメリットがあります。
・独自ドメインを利用するメリット
1)覚えてもらいやすくなる
2)信頼性がある
3)引っ越してもアドレスが変わらない
4)検索エンジン対策で有利
1)覚えてもらいやすくなる
住所が短くなることと、サイトやお店の名前とあわせたり、独自色を出したりすることにより、利用者に覚えてもらいやすくなります。
2)信頼性がある
無料サービスで提供される住所とくらべると、独自ドメインを使った住所の方が、“間借り感”がありません。開設者がドメインの取得に費用をかけているということから、特にネットショップなどの商用サイトの住所が独自ドメインになっていることで、お客様に「独立したちゃんとしたお店なんだ」という安心感や信頼感を与えます。
3)引っ越してもアドレスが変わらない
レンタルサーバでもともと用意されたサブドメインを無料で利用する場合、そのレンタルサーバが急にサービスをやめてしまったり、後からもっと条件のいいレンタルサーバが見つかったりして、別のところへ乗り換える際に、今まで借りていたスペースだけでなく、現在使っているドメイン(住所)も返却しなければなりません。
ということは、次に引っ越したレンタルサーバでは、また新しいドメインを使うことになります。現実の引越しと同じで、場所を変えると住所が変わってしまうのです。
そうなると、せっかく苦労して営業活動を続け、お気に入りに入れてもらったり、リンクを張ってもらったりして、あちこちに浸透してきたアドレスも、それぞれ変更してもらわなければなりません。
また新しいアドレスが、検索エンジンに反映されるまでにも場合によっては1カ月以上の時間がかかりますので、その期間は検索しても表示されず、広報活動が一時中断されてしまいます。
また、問合せ先などのメールアドレスも、以前のレンタルサーバで借りたドメインを使ったアドレスであれば、引越しと同時に別のものに変えなければならなくなりますので、古いメールアドレス宛てに送られてくるメールの転送対策も取らなければならなくなります。
アクセスする人の少ない個人向けの小規模サイトであれば、引っ越しの通知などのフォローも可能ですが、ネットショップなどの商用利用の場合は、せっかく軌道に乗ってきた営業活動をある程度一からやり直さなければなりません。これは、とてももったいないことです。
独自ドメインの場合は、一度取得すれば、維持管理費を払い続けている限り、ずっと住所を変えずに使い続けることができます。つまり、別の場所へ引越ししても、住所は前のままで使えるのです。
住所さえ変わらなければ、今までアクセスしていたお客様は何も意識せずに以前のままのお気に入りやリンクを使ってアクセスすることができます。
開設当初はサイト名や住所の変更ぐらいなんということはないように感じられるのですが、いざサイトの運営が軌道にのってしまうと、なかなかむずかしいものです。
ぜひ初めての開設時から、素敵なサイト名をつけるとともに、環境の変化に左右されずに使用できる独自ドメインを取得しておきましょう。
4)検索エンジン対策で有利
Yahoo! やGoogleなどの検索エンジンで、キーワード検索をすると、たくさんの候補が出てきます。通常、上から順番に候補を見て行きますので、そうなると、ちゃんと紹介文を読んでもらったり、アクセスしてもらえたりするサイトというのは、表示の優先順位が高いものになります。
自分の作成したサイトが、どの検索エンジでも1,000件目ぐらいにあるとすれば、なかなか検索エンジンからのお客様は見込めません。
しかし現在、全体のアクセス数のうちの9割が検索エンジンからのものだといわれています。
ということは、たくさんの人にアクセスしてもらうためには、いかに検索エンジンの最初の方に表示してもらうかがキモになります。
この「検索エンジンでできるだけ上の方に候補表示してもらう」という工夫のことを、SEO(検索エンジン最適化)といいます。
検索エンジンは、できるだけ、利用者が便利に思ってたくさん使ってくれるようにするために、有益な情報を優先して、的外れな情報を候補から外さなければなりません。そのため、検索エンジンは、たくさんある情報のうち、どの情報を優先して候補の上の方に表示するかを決める独自のしくみ(アルゴリズム)を持っています。しくみは、検索エンジンによってまったく異なります。また、どんどん進化して変わっていくものです。そのため、その時どきのアルゴリズムへの対策が必要になり、それを利用者に代わって行うSEO業者というものも存在します。
ただ、そこまで本格的でなくても、個人で簡単にたてられる対策はいろいろあります。
そのひとつが独自ドメインの使用です。
たとえば、検索エンジンによっては、「同じ候補画面に表示する同じドメインの情報は2つまで」というような制限をもうけているところがあります。
つまり、あなたが独自ドメインではなく、プロバイダなどの提供するドメインの住所でアクセサリショップをサイト運営しているとして、お客様が「アクセサリ 販売」というキーワードで検索した場合、同じプロバイダのドメイン住所を利用したアクセサリショップが、すでに2つ以上あれば、あなたのサイトが候補からはじかれてしまう場合もあるわけです。
さしずめ、同じ商店街にいる同業者たちといったところでしょうか。
独自ドメインの利用は、こういった商売敵との競合の心配をせずにすむという利点もあります。
また、アドレスの長さも優先表示のしくみに影響をおよぼします。
http://www.abcnet.ne.jp/お店の名前~/special.html
と
http://お店の名前.com/special.html
であれば、後者の方が優先されやすいのです。
このように、集客に重要な検索エンジン対策上でも、独自ドメインを利用することが望ましいのです。
以上のように、ドメインには独自ドメインとサブドメインの2種類があり、ほとんどのレンタルサーバではどちらかの形式から1つ選択できるようになっています。
独自ドメインにはメリットが多い分、取得や維持にお金がかかりますので、運営するサイトの目的や内容に応じて、どちらを使用するか検討してみましょう。
また、有料レンタルサーバの場合はほとんどが独自ドメインやサブドメインに対応していますが、無料レンタルサーバでは独自ドメインに対応していないところや、両方に対応していないプロバイダと同じ形式のところもありますのでご注意ください。
レンタルサーバには、専用サーバと共用サーバの2種類があります。
このサイトでは、個人で扱いやすい共用サーバの利用を基本にさまざまな説明をしていますが、ここでは2つのサーバのちがいとそれぞれのメリット/デメリットを見てみましょう。
・専用サーバとは
イメージでいうと、一戸建ての家をまるまるレンタルするサービスです。
サーバ1台を借りて、内装を自由に設計でき、その処理能力やディスクなどすべての資源も一人じめして使用できます。
ドメインについては、通常、独自ドメインのみの利用になります。
専用サーバには以下のようなメリットがあります。
1)サーバ全体の管理権限が自分にあり、自由に設計して使える
2)サーバの処理能力を占有できる
3)ディスク容量や転送量を気にせずに使用できる
4)サポートや管理体制がしっかりしている
1)サーバ全体の管理権限が自分にあり、自由に設計して使える
専用サーバの場合は、サーバ全体の管理を任されるため、全体の設定を行うためのroot権限という管理者権限を与えられます。サーバのOSを何にするか、ハードディスクの領域をどのように分割するか、データベースなどのアプリケーションソフトは何を入れるか、独自ドメインはいくつ使用するかなど、ある程度(またはほとんどすべて)の内装を自由に設計でき、細かい制限に縛られずに自由に運用できるのが専用サーバ利用のメリットです。
2)サーバの処理能力を占有できる
3)ディスク容量や転送量を気にせずに使用できる
1台のサーバを占有できるため、他の利用者のWebサイトへのアクセスの集中によるサーバ全体のパフォーマンス低下が起こりません。また、自分も他の利用者の迷惑になることを気にせず、大容量のデータ転送やアクセス数の多い大規模なWebサイトの運営を行えます。
4)サポートや管理体制がしっかりしている
共用サーバにくらべ、サーバの設置場所にも対策が取られており、365日24時間有人監視管理体制をしくなど、専任技術者をおいた密な運用管理を行っているプランが多く、迅速にトラブルに対応できるように休日や夜間もサポートをしているところが多いです。
一方、専用サーバには以下のようなデメリットがあります。
1)初期費用や月額使用料金が高い
2)サーバ管理のための知識が必要
3)セキュリティに責任を持つ必要がある
1)初期費用や月額使用料金が高い
サーバを占有する分、費用はぐっと上がります。安いものでも基本の月額使用料は1万円台から、企業で利用するようなものであれば20万円ぐらいのものまで幅は広いですが、全体的に高額です。
また、個別対応してもらえる分、有料オプションも多く、上乗せしていくとさらに高額になります。
2)サーバ管理のための知識が必要
最近では、専用サーバでも簡単に設定を行うための管理画面の充実したサービスが増えています。とはいっても、初心者ではせっかくの専用サーバを使いこなすことができません。わからない部分をすべて事業者におまかせしていては、有料オプションだらけでお金もかかってしまいます。サポートが厚いといっても、利用者にサーバ管理の知識があるのを前提としたサポートになりますので、サーバ構築から運用管理までのある程度の専門知識と運用管理の手間が必要になります。
3)セキュリティに責任を持つ必要がある
専用サーバの場合、ハードウェア的には事業者側がサーバを壊されたり盗まれたりしないようにしっかりと管理してくれますが、中身に関しては利用者側でカスタマイズすることになります。もしも、利用者側でサーバの管理を怠っていて、悪意のある第三者にサーバをのっとられ、Webサイトや設定を書き換えられたり、メール機能を悪用されて自分のサーバから迷惑メールを大量に配信されたりした場合、事業者だけでなく利用者側にも管理責任は生じます。
共用サーバでも同じリスクはありますが、専用サーバの方が利用者側に管理できる範囲が広く、目をつけられやすいので、しっかり管理する必要があります。
・共用サーバとは
イメージでいうと、マンションを一室ずつ別の住人にレンタルするサービスです。
事業者によって1台のサーバあたりの部屋数は異なりますが、間取りや共用ルールがあらかじめ決まっており、それを守れない住人は追い出されます。
住人が増えれば増えるほど混雑するため、回線速度やサーバの処理能力は落ちてしまいますが、それに備えた高スペックのサーバや回線が準備されることが多いです。
ドメインの利用については、サブドメインか独自ドメインのどちらを使うかを選択できる場合が多いです。
共用サーバには以下のようなメリットがあります。
1)初期費用や月額使用料金が安い
2)比較的簡単に設定できる
1)初期費用や月額使用料金が安い
1台のサーバを複数の利用者で共用するため、専用サーバにくらべると費用が安くてすみます。だからといって、専用サーバにくらべて性能が落ちるというわけではなく、サーバのスペックも、もともと共用を前提として構築されているため性能が高いものが多く、コストパフォーマンスの高いレンタルサーバはたくさんあります。
2)比較的簡単に設定できる
すでに準備された設備を利用するため、プランによっては初心者でも簡単に利用できます。
一方、共用サーバには以下のようなデメリットがあります。
1)ディスク容量や転送量などの制限がある
2)サーバを共用する別の利用者に影響を受ける
1)ディスク容量や転送量などの制限がある
共用ですので、あらかじめ使用できるディスク容量や転送量、データベースやCMSなどのアプリケーションソフトは決まっており、制限を超える使用はできません。また、利用規約などに明記していない場合でも、サーバ全体のパフォーマンスを低下させて他の利用者に迷惑をかける行為を繰り返していると、サーバ利用IDのロックや退会勧告などのペナルティを負うことが多くあります。
2)サーバを共用する別の利用者に影響を受ける
契約する際は順調に動作していても、その後共用サーバにどのような同居利用者が入ってくるかは予想できず、別の利用者のサイト運営によって影響を受ける可能性があります。また自分の方でも、Webサイトにも予想を超える過度のアクセスなどがあった場合、別の共用者に迷惑をかけてしまいます。
以上のように、専用サーバと共用サーバにはそれぞれ長所短所があります。
しかし、この2種類のどちらを選ぶかについては、個人で利用する場合は、まずは費用が一番の条件になるかもしれません。
個人利用の場合は、高い費用をかけるだけのメリットがある方のみ専用サーバにすればよいのではないでしょうか。
レンタルサーバのサーバというのは、通常どこに置かれているのでしょうか。
サーバ設置場所は大きく分けて以下の3つに分類されます。
1)国内のデータセンター(iDC)
2)自宅・自社社屋
3)海外のデータセンター
1)国内のデータセンター(iDC)
インターネット用のサーバやデータ通信機器などの装置を設置して運用管理するために特化した建物のことを、インターネット・データセンター(iDC)といいます。
人間が快適に使用できるように設計される通常のオフィスビルに比べて、たくさんの光ファイバを引き込んでいたり、サーバの発熱に対応して空調を設置していたり、火災の際にサーバを傷めないように、スプリンクラーではなく、二酸化炭素やハロンガスによる消火を行うようになっていたりと、まさに装置のために設計された建物です。
地震や火災、停電に備えるほか、運用面においても管理者が24時間サーバやネットワークの状態を監視しており、障害をすみやかに復旧したり、データのバックアップを行ったり有人対応しています。
さらに、防災だけでなく、サーバ上のデータを悪用されないように、サーバのあるエリアに入る人間の入退室管理もICカードや生体認証システムなどで徹底的におこなうなど、物理的・人的セキュリティ対策にも力を入れています。
レンタルサーバの多くは、このようにサーバを維持するのに特化した施設を借りて、そこにサーバを設置して管理しています。
また、レンタルサーバ事業者が自社でデータセンターを持っており、そこで管理している場合もあります。
※インターネット・データセンターというのは、上記のようなサーバなどの装置のために作られた建物の総称のことですので、経営者によって各データセンターの提供するサービス内容や品質は大きく異なります。
2)自宅・自社社屋
レンタルサーバ事業者が自社社屋にサーバを設置しているタイプです。
個人で運営している場合は、自宅にサーバをおいて管理していることもあります。
自社に専任管理者を置き、サーバ設置エリアに対してしっかりとセキュリティ対策を取っているところもありますが、小規模な事業者の場合、セキュリティが甘いところもありますし、データセンター設置にくらべると災害時にサーバがダウンしてしまうリスクは高くなります。
データセンターを利用しないことでコストをおさえ、その分サーバのスペックやソフト環境を向上させるというような事業者もありますし、地震のリスクに備えて、あえて首都圏のデータセンターではなく、地震の少ない地域にサーバを設置して運営するという事業者もあり、そのデータセンターを利用しない理由はさまざまです。
3)海外のデータセンター
以前は、国内のデータセンターよりも、アメリカなどの海外のデータセンターにサーバを設置する方が、費用的なパフォーマンスが高かったため、海外設置が流行した時期がありました。
現在でも海外設置の事業者は多くありますが、最近では費用・レベルともに国内データセンターも海外とそう変わらないサービスを提供できるようになってきているため、あえて海外設置を条件にレンタルサーバを選ぶ必要も減ってきています。
サーバがアメリカに設置されているレンタルサーバを利用した場合、国内の利用者がWebサイトにアクセスするたびに、利用者のパソコンから海底ケーブルやその他たくさんのルータなどのネットワーク機器を通ってアメリカにあるWebサーバまでホームページのデータを取りに行って戻ってくることになりますので、コンテンツによっては国内サーバにアクセスするよりは少し速度が落ちるといわれています。
以上のように、サーバの設置場所はレンタルサーバによってさまざまです。
どこにサーバを設置しているかについて、あえて明記していないレンタルサーバも多いですが、セキュリティや管理運用に自信を持っている事業者であれば、「国内データセンターでサーバを24時間有人監視」など広告を打ってアピールしています。
100%安心という設置場所はありませんが、個人情報や社外秘データなどの機密情報を取り扱う場合、誰でもUSBメモリなどを持って入れるような場所にサーバが設置されているのでは、利用者側で対策の取りようがありません。情報がしっかりと守られているイメージの持てない事業者は選ばないように、わからない場合は問い合わせて確認しておきましょう。