レンタルサーバとプロバイダ

Webサーバ(またはその一部スペース)をレンタルしている事業者には、インターネットサービスプロバイダ(ISP)とレンタルサーバの2種類があります。

いきなり結論からいいますと、Webサイトを開設運用するためには、レンタルサーバの方がおすすめです。

では、なぜプロバイダよりもレンタルサーバの方がよいのか、ここでは2種類の事業者のWebサイト開設に関するサービスの違いを比較してみましょう。

・インターネットサービスプロバイダ(ISP)とは
「プロバイダ」とは「提供する者」という意味で、その単語の表すとおり、インターネットサービスを提供してくれる事業者のことです。日本語では、よく「インターネット接続代行業者」と訳されます。

たとえば、自宅のパソコンからインターネットに接続するには、そのパソコンをインターネットという世界規模の大きなネットワークに参加させてもらわなければなりません。そのネットワークへの入口(アクセスポイント)をあちこちに持っていて、一番近い入口から利用者のパソコンをインターネットに入れてくれ、またブラウザでWebサイトを閲覧したり、インターネット用メールアドレスを準備してメールのやり取りができたりするようにしてくれる仲介役が、プロバイダです。
いわば世界規模の巨大な会員制パーティ会場へのチケット手配と受付を行う代理店といったところでしょうか。

プロバイダは、自社が準備するアクセスポイントまでの通信経路(電話回線や光ファイバ、ケーブルテレビのケーブルなど)を提供している通信回線事業者が運営していることもありますし、通信回線事業者とは別の事業者がアクセスポイントやメール機能の提供部分だけを運営していることもあります。

どちらのタイプでも、プロバイダ事業者の数は非常に多く、競争も激しいため、ほとんどのプロバイダでは、インターネットへの接続代行とメール機能の提供以外に、Webサイト開設のための自社のWebサーバのレンタルスペース貸し出しや、メールのウィルスチェック、Webメール、映像コンテンツ配信など、他社と差をつけるためにさまざまなサービスを提供しています。

費用に関しては、電話回線を使う無料プロバイダというのも存在しますが、電話回線を使うため接続時間分の電話料金は自分で支払う必要がありますし、使用条件があったり、閉鎖が多かったり、接続環境が悪いことが多いため、有料の定額制プロバイダを利用する方がほとんどです。

・レンタルサーバとは
レンタルサーバとは、名前のとおり、サーバをレンタルしている事業者です。
すでにプロバイダと契約をして、インターネットには接続できている状態の利用者が利用します。
Webサイトを開設したい人にはWebサーバのスペース(またはまるごと1台)、メール機能を利用したい人にはメールサーバのスペース、ファイルの転送を行い人にはファイルサーバのスペースというように、目的に合わせたサーバのスペースを提供してくれるサービスです。
通常、Webサイト開設用のプランの場合、Webサイト用スペースとメール用スペースを合わせてレンタルしています。

費用に関しては、有料のレンタルサーバと無料のレンタルサーバが存在します。

・プロバイダでWebサイトを開設する際のデメリット
レンタルサーバを利用する際にくらべて、プロバイダを利用してWebサイトを開設する際には以下のようなデメリットがあります。
1)独自ドメインを使用できないことが多い
2)CGIが使えない場合がある(使える場合も制限が多い)
3)ディスク容量が少ない
4)機能や利用方法が限られている

1)独自ドメインを使用できないことが多い
ほとんどのレンタルサーバでは、Webサイト開設とメール運用において、事業者の準備するサブドメインを利用するのか、利用者が準備した独自ドメインを利用するのかを選択して使用できます。
独自ドメインを利用するには別途費用がかかりますが、独自ドメインを利用することで、「サイト名.com」や「お店の名前.jp」「会社名.co.jp」などの独自色を活かしたURLやメールアドレスを利用でき、また検索エンジンの候補順位を上げるSEO効果を上げられます。
プロバイダの場合は、独自ドメインを使用できないことがほとんどなので、WebサイトのURLの頭に「プロバイダのドメイン」がついてしまいますし、メールアドレスも「好きな名前@プロバイダのドメイン」となってしまうため、独自色をつけられるのはごく一部になってしまいます。
サイトやメールの住所の表記はどうであれ、インターネットに公開するという役割自体は果たせるので、ごく親しい知り合いに公開する小規模サイトの場合はこれでも十分ですが、ネットショップなどの商用利用や企業サイトの公開にこの住所では、信頼性にも乏しく、おそまつ感がぬぐえません。

2)CGIが使えない場合がある(使える場合も制限が多い)
CGIの利用を想定している場合、CGIの種類の自由度、使える範囲でみると、レンタルサーバの方に分があります。
レンタルサーバでは、掲示板やアクセスカウンタ、メールフォームなどのプログラム(CGI)をあらかじめ準備していてWebサイト上に簡単に組み込めるように提供していたり、独自で作成した(または別の人が作ってインターネット上に公開した)CGIの利用を許可していたりして、比較的自由にCGIを利用できるところがたくさんあります。
プロバイダでも、CGIを準備して提供しているところはありますが、それ以外の独自CGIの利用ができる事業者は少なく、また、そもそもCGI自体が利用できない場合もあります。

3)ディスク容量が少ない
プロバイダのレンタルスペース(ディスク容量)は、現在でも基本容量が5MB~50MBなどかなり少ないところがあります。最近の大手事業者では月額100円で1GBというようなところもありますが、Webサイト開設サービス自体に現在あまり力を入れておらず、10年前から容量は5MBのままで写真画像を入れたらすぐにいっぱいに……というようなところもあります。

4)機能や利用方法が限られている
プロバイダの場合、CGIに限らず、ブログシステムなどのCMS(コンテンツ管理システム)やデータベースの利用にはほぼ対応していませんし、メーリングリストやメールマガジン配信機能などの提供も少ないです。
Webサイト開設目的についても、個人利用のみ可能としているプロバイダがほとんどです。
商用利用が禁止されていたり、可能であっても別料金がかかって割高になったりしますので、制限の多い利用となってしまいます。
また、メールアドレス(メールアカウント)も、プロバイダでは基本1つしか利用できません。

以上、プロバイダのサービスを利用してWebサイトを開設する際のデメリットをあげてきましたが、これはもともと、プロバイダのサービスは、「利用者がインターネットを快適に利用できるようにする」のがメインあって、Webサイト開設サービスというのは、あくまでその他のおまけ部分にすぎないためです。

レンタルサーバは、「いかに利用者がWebサイトを快適に開設運用できるようにするか」だけに特化してサービスを行っていますので、当然こちらを利用した方がより自由度が高く便利にサイト運用できるというわけです。

最近の大手プロバイダでは、月額100円で1GBのディスク容量を提供していたり、独自ドメイン利用を受け入れていたりする事業者も出てきています。
ただ、そういったプロバイダでも、全体的に使用機能に制限の多いところがほとんどになります。

プロバイダでサイトを開設して、軌道に乗ってからレンタルサーバへ引越しするとなると、URLやメールアドレスが変わってしまい実質営業活動を1からやりなおすことになってしまいます。
本格的なサイトの運営を考えている方には、最初からのレンタルサーバの利用をおすすめします。
 

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